「こうまん」をなんとかしたい

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私には、得意なことがあります。

それは、人の欠点を見つけることです。いやらしいですね……

 

見つけようと意識しているわけではなく、どうしても目についてしまうのです。時には、それを本人に突きつけてしまうことも。今まで僕に傷つけられたという体験のある方はたくさんいらっしゃると思います。本当に申し訳ありません……

 

長らくこのことに悩んできました。そして、その原因は、心が高いことにあると思っていました。八つのほこりでいえば、「こうまん」。私の長年の課題は「心を低くする」ことだったわけです。

 

ところがある日、天理図書館で調べ物をしていると、ある先人のお話が目にとまりました。

 

 

私は、お救け人として大切なことは、まず神様のお力をおかりして弱い心を強い心にさして頂き、人様にも、その道を通つて頂く。通つて頂く上については、その人の欠点や短所はそつとそのまゝにして、それは自分のお詫びとして、その人のもつている持ち味を生かし、長所を伸ばしてゆけば、欠点や短所は自然に消えるものと思います。

大久保とよ「持味を生かす」『みちのとも』昭和22年3月号

 

 

これを読んで、「人の欠点ばかり目に入るのは、心が高いからではなく、心が弱いからではないか?」と思ったのです。今まで当然のように思っていた「心が高いから説」が揺らぐ、大きな視点の転換でした。

 

目についてしまう人の欠点を「自分のお詫び」とするには、相当な精神の強さが必要だと思います。実際、これを読んだあとも、「頭では分かってるけど、自分は悪くない!」と思うことがほとんどです。では、心を強くするにはどうすればいいのでしょうか。

 

 

衣食住、各々そのもつ特色を生かしてつゝましさ、勿体なさ、無駄をしない心が自然と太って、弱い心から強い精神に変つてゆく道すがらとなるのであると、私は思つております。

 

 

つまり、日常生活で使うさまざまな道具の特色を生かして使う。モノの短所ではなく長所を見て、それを生かすトレーニングをするのです。「自然と太って」というのは、「神様のお力をおかりして」というところに重なるのでしょう。

私の生活でいえば、例えばメガネ。あまりに身近すぎて、付けていることすら忘れるものですが、これはないと困ります。メガネの持ち味を最大限生かすには、レンズをきれいに保つことや、寝るときにきちんとたたんでケースにしまうことなどが考えられます。これなら、すぐに実践できそうです。

 

「人の欠点が目につく」という“欠点”に悩んでいた私ですが、これと向き合うことが、実はおたすけ人としての成人に直接つながっているという素晴らしい発見もありました。まずは身近なモノに対して、特色を生かした使い方ができるように努力したいと思います。