米袋を運んで

f:id:toshiniois:20220121092007j:plain

2年前のある日、30キロの米袋を運んでいたときのことです。華奢で非力な私ですが、全身の力を総動員してなんとか運び終えました。ほっとしたところで改めて米袋を見ると、少し位置がずれているのが気になりました。微調整をしようと米袋を持ち上げたところ、右手の手首から「ピキッ」という嫌な音が聞こえたのです。

 

病院に行くと、骨に以上はないものの、聞いたこともない長い名前の筋が損傷している、とのことでした。それからというもの、手首に包帯をぐるぐる巻きにして過ごしていた私は、会う人会う人から「どうしたの?」と聞かれる日々。何度も何度も同じ説明に明け暮れたことを今も思い出します。

 

特に支障があったのは、掃除のときでした。神殿掃除の時間に布巾で乾拭きをする際、右手で踏ん張ることができず、うまく拭けなかったのです。それまではただ、「微調整なんてせずにあのまま置いておけばよかったのに」と落ち込んでいただけだったのが、そこで初めて、「ああ、今までずっと、つっぱりの御守護を頂いていたんだ」と気づきました。

 

月よみのみこと様は、人間の身の内では男一の道具、骨つっぱり、世界では作物や草木、地上に自ら立っているものの御守護を下さいます。

 

私が今ここに立っていること、家が立っていること、木や草が立っていること。これらは普段なんとも思わないようなことですが、すべて、月よみのみこと様の御守護を頂いているのです。

 

自分がケガをしなければ、そんなことを考えもしなかったでしょう。神様は、私の手首を通して、かしもの・かりものの理の深い世界の一端を、見せてくださいました。おていれを頂くのも素晴らしいことですが、普段からかしもの・かりものの理を学び、生活の中で御守護を感じられるように努めたいと思います。