かりものの世界に生きる
昨年、8年使い続けたパソコンを買い替えました。以前のものは起動するのに3分もかかっていたのに、新品くんはなんと10秒。すべての作業が快適になりました。
ある日、いつものように作業をしていると、突然画面が真っ暗になり、電源が入らなくなってしまいました。ネットで調べたり、人に尋ねたりしてどうにか復活させる方法を探りましたが、どうにもならず。データも消失しているだろう、という最悪の状況でした。
ちょうどその頃、結婚が決まり、式の準備を進めていた私。招待客の名簿や昔の写真など、大切なデータはすべてパソコンに保存していました。バックアップはどこにも取っていなかったのです。
うんともすんとも言わなくなった相棒を見て、私は気付きました。新品で性能もいいので、自分の思い通りに動いてくれると勘違いしていたのです。
「おさしづ」に、次のようなお言葉があります。
人間かりもの思うようにならん/\というは、かりものの証拠。(M21.7.28)
この世は神様のご守護の世界ですから、人間の思い通りにはなりません。「心通り世界に映してある」といわれるように、自分の心通り、いんねん通りに現れてくるのです。
神様はこの出来事を通して、人間は「かりものの世界」に生きているということをお教えくださったのだと思います。周りの人や、身近なモノに対しての「思い通りになる」という勘違いを、「心通りに現れる」という真理に切り替えていく。この小さな努力を積み重ねることで、互いを思いやる、たすけあいの世界に近づいていけるのではないでしょうか。
ちなみに、修理に出したパソコンは、データも含めて元通りの状態で返ってきました。「分かればいいんだよ」という、あたたかい親心を感じました。
この世はかりものの世界。そう考えれば、「思い通りにならない」とイライラすることは少なくなるはずです。神様にお働きいただけるよう、「心通り」の「心」を向上させていきたいですね。